展覧会カタログ

予約は終了いたしました。

トポフィリ展が始まって4日目、連日沢山の方にご来場いただきスタッフ一同非常に嬉しく思っております!ありがとうございました。

本日はカタログについてのご案内です。

「トポフィリ―夢想の空間」展では図録を制作しております!
図録には、螺旋階段、時計台内の展示風景や、
各制作物や特別出品していただいている作品の図版とその解説が掲載されるほか、金森修先生、田中純先生、松浦寿輝先生にバシュラールについて、またトポフィリについての論考をご執筆いただいております!

展示風景の写真を掲載するため、展覧会終了後に発行となりますが、
会場受付にて予約を承っております。

展覧会が終了後に、ご自宅に届く日を楽しみに待って頂ければと思います。そしてご自宅でトポフィリ展のこと、あの時計台のことを思い出しながら頁をめくって頂ければ幸いでございます。


以下に詳しい内容を掲載します。

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【内容】
ごあいさつ
論考
「〈翳り〉の誘惑」金森修
渚にて―場所のざわめき」田中純
「秘匿の恍惚」松浦寿輝

会場内記録写真
展示物解説
時計台について
バシュラール年譜
特別出品作家略歴

A5版 100頁
2011年8月初旬発行・中旬発送予定

お問い合わせ:topophilie.catalog@gmail.com
※展覧会へご来場のできないカタログ入手希望の方は上記のメールアドレスにご連絡ください。

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皆さまのご予約お待ちしております!


(カタログ担当:瀧上)

◆予約締め切り日時と予約方法再掲◆

現在までに予約がうまっている日時のお知らせと、予約方法の再掲です。

[現在までに予約がうまっている日時]

24日(日)11:00
25日(月)16:30

上記の日時は予約を締め切らせていただきました。
その他の日程で観覧をご希望の方も早めのご予約をお勧めします。


会場内の安全確保のため、混雑時には入場人数を制限させていただくことがあります。
その場合、予約優先となります。
(予約なしでもご入場いただけますが、制限人数を超えるときはお待ちいただく場合がございます。なるべくご予約の上ご来場いただきますようお願いいたします。)

◆予約方法

本展メールアドレス(topophilie@gmail.com)宛に、下記の要領でお申し込み下さい。

件名を「展覧会予約」とし、

①参加者(グループの場合代表者)氏名
②参加人数
③当日連絡可能なメールアドレス・電話番号
④観覧希望日・時間(下の[予約時間]からお選び下さい)

を明記の上、観覧希望日前日までに送信してください。
展覧会に関するお問い合わせもこちらまで。

[予約時間]

7月20日(水)−30日(土)の会期中(26日(火)休み)

11:00 11:30 12:00 12:30
13:00 13:30 14:00 14:30
15:00 15:30 16:00 16:30
17:00

ご予約お待ちしております!


最後に、学生制作物を通して見た会場の一部をちらり。

初日終了!

本日、「トポフィリー夢想の空間」展が無事オープンを迎えました。
台風の影響で天候が悪かったにもかかわらず、たくさんの皆様にご来場いただき、スタッフメンバー一同本当にうれしく思っています。ありがとうございました。
ワークショップも参加者に加え、見学の方もいらっしゃって、大変盛況でした。

企画開始から約3ヶ月、何もなかった「ただの時計台の内部空間」が「夢想の空間」になりました。抽出を開けたり、机に座って本を開いたり、展示物を実際に手に取ったり…そうして、じっと夢想することのできる、そんな空間です。
本日ご来場して下さった方々が、ご覧になって少しでも面白いと思って頂けていたらとても光栄です。

今日から30日まで、精一杯の運営をさせて頂きたいと思っています。
ぜひ一度(もちろん”再び”でも!)足を運んでみて下さい。みなさまのご来場を心よりお待ちしています。

◆予約優先となりますので、ご希望の日時があれば展覧会アドレスtopophilie@gmail.comまでご連絡ください。◆


【展覧会入り口まで】


1号館正面から入って…


正面の階段を3階まであがって下さい!

ワークショップ予約受付終了

関連イベント「芸術ジャンルに潜在する愛と空間を探ってみる・プロローグ」by 岸井大輔 ワークショップは、全てのセッションにおいて参加人数が定員に達しましたので、予約受付をしめきらせていただきました。

ご予約をいただきました皆様、ありがとうございました。
計15名の参加者の皆様、すぐにお会いしましょう。
予約が間に合わなかった皆様、ぜひ見学にいらしてください。

明日からワークショップもはじまります!
ワークショップブログhttp://d.hatena.ne.jp/topophilie-ws/では、これからも色々書いていきます。

展覧会基本情報

いよいよ水曜日に開催となります、「トポフィリー夢想の空間」展の基本情報のリマインダです。

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【「トポフィリ−夢想の空間」展】

小さな貝殻を手に取りじっと眺める、あるいは抽出をそっと開けてみる。
そのとき、私たちの意識は内部へといざなわれ、想像力は無限に広がっていく。
それは集中と拡散を繰り返す意識の円運動だ。

フランスの哲学者ガストン・バシュラール(1884-1962)が『空間の詩学』(1957)で述べるのは、そのような内密の空間においてはたらく人間の夢想である。彼はそれを「トポフィリ(場所への愛)」と呼ぶ。
想像の世界をあるひとつの事実として生きたとき、私たちの想像力は現実を凌駕していく。


[会期]2011年7月20日(水)−30日(土)※休館日26日(火)
  午前11時〜午後5時30分(入場は5時まで)

[会場] 東京大学駒場キャンパス1号館 時計台(6階)内部空間及びそこに通じる螺旋階段

[特別出品]内林武史、高田安規子・政子、谷本光隆、びん博士(五十音順)

[観覧料金] 無料
[予約] 予約優先となります。予約なしでもご入場いただけますが、混雑時にはお待ちいただく場合がございます。

[blog]http://d.hatena.ne.jp/bachelard2011/
twitter@topophilie
[e-mail]topophilie@gmail.com

[主催]東京大学大学院 総合文化研究科 超域文化科学専攻
表象文化論コース 表象文化論実験演習1(田中純教授)ゼミ生一同

[協力]東京大学駒場博物館

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ワークショップ「芸術ジャンルにおける、愛と空間を探ってみる・プロローグ」

こんにちは!
猛暑日が続いておりますが、みなさまいかがおすごしでしょうか。

さて、今日は展覧会関連イベントのお知らせです。
本展では、「芸術ジャンルにおける、愛と空間を探ってみる・プロローグ」と題したワークショップとトークイベントを開催する予定です。

長い名前ですが…
劇作家の岸井大輔さんをまじえ、一時間半ほど歩いたりおしゃべりをして、それぞれの記憶や想像の中に潜在する空間を、鉱石を採掘するように探ってみるというようなことを考えています。

1セッション3名という超少人数でじっくり行うため、完全予約制とさせていただいております。(2セッション×3日間、計6セッション)
そして実はもうすでに残席わずかという状態です!
気になった方はご一報下さい。
また、見学のみの場合は予約不要です。セッション開始時間に一号館前に集合していますので、お気軽に声をかけてください。
参加も見学も無料です。

そして、7/30のトークイベントは、岸井氏によるワークショップ実施報告会です。
(ワークショップの実施内容によっては、形式が変わる可能性もあります)
ワークショップには参加できなかったけどちょっと気になってた〜という方、どしどしお越し下さい!
こちらは予約不要で、もちろん無料です。

詳しい予約方法などはワークショップ専用ブログhttp://d.hatena.ne.jp/topophilie-ws/にて。

それでは、近々、会場にてお会いしましょう☆

バシュラールの生涯 【後編】

こんばんは、松丸です。
今回は、前回予告した通り、1912年からのバシュラールの生涯をご紹介していきます。


コレージュを卒業後、郵便局員や兵役などを経験しつつ、1912年、独学で数学のリサンス(学士号に相当する資格)を取得したバシュラールは、電信電話技師の資格を得るために学校に通い始めます。
まだ当時はパリの郵便局に勤めていましたが、試験準備のために、有給での1年間の自由時間が認められていたようです。

また、1914年7月には、バシュラールは小学校教師のジャンヌ・ロッシという女性と結婚します。
彼が30歳の時でした。

しかしちょうどこの頃、第一次世界大戦が勃発、十分な新婚生活を送ることなく、バシュラールは8月2日から兵役につくことになります。
休暇が認められ、ようやくジャンヌと再会できたのは、約一年も後の、1915年12月のクリスマスの時期でした。

兵役のうちで約3年間、バシュラールは危険な前線に配置されていました。
さらに家庭では夫人が病気になり、生活費を確保しようと、彼はより良い給与が望まれる少尉になるための昇格試験を受けていました。
この約5年間にわたる兵役は、バシュラールの人生の中でも苦難の時だったようです。

バシュラールがようやく市民生活に戻ることができたのは、1919年の3月のことでした。
34歳という年齢のこともあり、技師になることを諦め、同年の新学期から、故郷のバール・シュル・オーブでコレージュの教師になります。
ここで彼は生徒たちに物理学と化学を教えていました。

また、この年には娘のシュザンヌが誕生しています。
しかし、約1年後の1920年、妻のジャンヌが肺結核のために亡くなります。

戦地から復員し、娘も生まれ、これからやっと家庭生活を築き上げていこうという時の、この不幸に対するバシュラールの悲しみは計り知れないものがあるでしょう。
後の著作の中で、彼が夫人の死について言及することはほとんどありませんでした。

教師と育児を両立しつつ、バシュラールはこの頃から、哲学の勉強を始めます。
そして年末にはリサンスを、さらに2年後の1922年には、アグレジェ(高校以上の教育機関でその科目を教えることができる資格)を取得します。

当時、哲学書が付近の図書館になかったようで、彼は2週間ごとに電車に乗ってディジョンに行き、スーツケース2つ分の書物を抱えて戻り、そうして受験準備をしていたといいます。
以降、物理学と化学以外にも生徒たちに哲学を教えるようになります。

この時期、バシュラールの両親が立て続けに逝去していますが(1923年に父親、1925年に母親)、バシュラールは再婚することなく、独り身でシュザンヌを育てていました。
しかし一方で、博士論文の準備を始め、1927年5月にはソルボンヌ大学にて、「極めて優良」という評価とともに文学博士号を取得するに至ります。

その後、ディジョン大学での非常勤講師勤務を経て、1930年には文学部の哲学教授に着任します。
ここでは簡単に触れるにとどめたいと思いますが、前回の更新分でも書いたように、大学人としてのスタートは遅いものでしたが、それ以降のキャリアは明るいものでした。

1940年からはパリのソルボンヌ大学で教えるようになり、1954年に引退する際にはソルボンヌ大学名誉教授に任命されます。
著作は、1928年に博士論文を処女作として発表したのち、約20冊近く出版され、レジヨン・ドヌール(国家が認めた功労者に授けられる勲章)も三度受賞し、亡くなる前年の1961年には文学国家大賞を受賞しています。

そして1962年、バシュラールは78歳でその生涯を閉じます。
故郷のバール・シュル・オーブに埋葬されることになりましたが、その葬儀には親しい友人たちが集い、彼の死を悲しんだようです。


以上、かなり駆け足でバシュラールの生涯、とくにその前半に着目してご紹介してきました。
(長文になってしまいましたが、ここまで読んでくださった方、ありがとうございます!)

ちなみに、『空間の詩学』は彼の晩年にあたる、1957年に出版されたものです。
その中に、今回紹介したような、バシュラールの若かりし頃の経験の影響を見ることは難しいかもしれません。
ただここでは、どのような人間がこの本を書いたかということを、僅かなりともお伝えすることができていたら、と思っています。

個人的には、決してエリート的ではないバシュラールの歩みが、とても興味深いものでした。
みなさんは、どのようなことを思われたでしょうか?