内林武史さんアトリエ訪問

こんにちは。
企画のスケジュール進行などを担当しております、黒澤です。

着々と展覧会の内容がつめられていくなか、
先日訪問したのは造形作家の内林武史さんのアトリエです。

内林武史さんは、電機部品や機械部品を使いながら、
あたたかみのあるオブジェをつくられる造形作家です。
(ホームページはこちら:http://www.garag.net/

バシュラールは『空間の詩学』において、
記憶と想像力を喚起する場所としての抽出や扉のイメージを大切にしましたが、
内林さんも、扉や階段といった日常に根ざしたモチーフを媒介として
見る者に詩的な感情や想像力を呼び起こす作品をつくっていらっしゃいます。

『空間の詩学』と内林さんの作品に何か通じるものを感じて
突然ご連絡申し上げた私たちに内林さんがくださったのは、
「一度アトリエへ、どうぞ来てください。」の嬉しい一言。

そして案内されたアトリエは、東雲のとある一角にひっそりと佇む、
まさに秘密基地でした。

作家さんのアトリエへお邪魔できる経験はなかなかありませんので少し緊張しつつも、色々な作品を見せていただき、実に贅沢で特別な時間を過ごしました。

制作途中の部品や道具たちの臨場感。
完成された作品の数々が誇らしげに並ぶ様子・・・。
また、元鉄工所であった名残で片隅に置かれている年季の入った鉄製機械は、
かつてそれに添えられていたであろう職人の寡黙な手を想起させ、
現在のこの空間で作品と戯れる内林さんの手へと受け継がれた、
場所の歴史を感じずにはいられませんでした。

そんな、アトリエに満ちる場所の思い出を引き連れ外へ出ると、

ふわり、と潮風が頬に香ります。

アトリエから徒歩1分、そこはもう海なのです。


内林さんは、私たちの企画主旨にご賛同くださり、
この度、特別に作品を数点、本展覧会にご出品くださることになりました。
「このような出品は今までに無く、どのような展覧会になるのか楽しみ。」
とおっしゃってくださり、
実験的な学生の試みへご協力を快諾してくださった内林さん。


作家の作品がもつそれ自体の力強さや魅力が、
バシュラールの思想の空間をさらに広く深く印象づけてくれることと思いますので、

バシュラールの本を読んだことが無い方々も、
ぜひ会場に足を運んでいただけましたら嬉しい限りです。


また、内林さんの作品に、私たちの展覧会にてよりも
一足はやく会いたいという方々。
ギャラリー椿で6月26日から28日まで開催されるチャリティーオークションに、
内林さんもご参加されるとのことですよ!
ご案内ページはこちら:
http://www.gallery-tsubaki.jp/2011/0625/0625.htm



それでは、また企画の進行具合などもブログでご報告したいと思います。
これからも、どうぞお楽しみに。